IMERUAT CALISTHENICS No.4 TOKACHI Version
イメルア体操第四 十勝全市町村版 徹底解説
イメルア体操第四 十勝全市町村版 徹底解説!
十勝の全19市町村の知られざる魅力も紹介!
「更別パニック」はパロディです。このような映画・作品は今のところ存在しません。
序章(文、写真:浜渦正志)
「IMERUAT体操の十勝全市町村バージョンを作る」という案を思いついたのは昨年の夏でした。最初はほんちゃんバージョンの撮影で通過した場所でとりあえず撮れたら撮っておいて、後で何カ所か繋げて見るのも面白いかも?という程度の企画だったのですが、撮影終了後「雪の中の絵も欲しい」「いっそのこと19市町村全部回ってみては」とどんどんイメージが膨らんでしまい、ついに「半年待って冬も撮ろう」ということになりました。実は「冬に毎年行われているMinaの帯広での中学校での講演に便乗し、IMERUATとして何かを得て帰ってくる」ということを4年連続やっているのですが、この「何か」にも丁度いいと思ったのです。
しかし冬の撮影旅行はまたこれまでにないくらいの大騒動でスタートしました。既にPropelled Lifeの制作で損害を出していたMinaですが、その3週間後にまたやらかしました。早朝の羽田発「帯広」行きに乗るはずが、何故か羽田発「新千歳」行きに…遅刻が原因です。一ヶ月かけて「これが最安値!」と厳選したプラン。その労苦は水の泡となり、スーパーとかち車内で「何故俺は今気動車に揺られているのだ」とずっと反芻していました(もちろん710円の指定席は不許可!)。おかげで初日の撮影プランは1カ所(南町中学校)を除いて全滅。本日はそんな労作の全編を解説いたします。
IMERUATはこれまでも観光名所に目もくれずに色々撮ってきましたが、今回も決して「十勝らしい十勝ではない場所」ばかりがクローズアップされています。夏は一週間曇りまくり、冬は雪が少なすぎたりスケジュールが混乱するなど、自ずとそうなってしまったところも多いのですが、「これが〇〇町なの?」と思わないでご覧いただければ幸いです。
イメルア体操第四 通常版
まずは通常版(指導字幕つき)で重厚なテーマをご堪能下さい。より一層「十勝全市町村版」が楽しくご覧いただけます^^
イメルア体操第四 通常版はこちら
グサリと貫通…!清水町/清水(0:00~)
2014年1月某日早朝、帯広。レンタカーのフロントガラスの氷を削り、朝食はセイコーマートのホットシェフのおにぎり、カーラジオはFM-JAGA…と、テンション上がりまくりで最初の撮影地、清水町清水地区へ。札幌方面からの十勝の玄関口ということで、帯広方面に用が多い我々としてはついつい素通りしてしまいがちですが、いきなりいい撮影ポイントを発見、オープニングに抜擢させていただきました。今年は雪が少なく、茶色い土が露わになった「荒野」のイメージになっていた場所が多かったのですが、その中でもここは群を抜いていました。「幸先がいいな!」と車を降り、「しかも今日は風もない、凍えずに撮影できそうだ」とカメラを回し始め、数分経ったときでした。突然、狩勝峠方向からかなり強風が…。「山も近いし突風くらい吹くわな、すぐに止むだろう」とタカをくくっていたのですが、ビュウウウウウウウウ(5秒)ウウウウウウウウ(10秒)ウウウウウウウウ(15秒)ウウウウウウウウ(20秒)ウウウウウウウウ(25秒)ウウウウウウウウウ(以下略)…と、ほぼ風力の変化のない風が吹き続け、ついに撮影終了まで一度も途切れることはありませんでした。私は風上に立ちカメラを守りながら、Minaは吹き飛ばされないように…。車に戻る頃には身体は冷えまくってガチガチ。さらにMinaは走って車に戻る途中でガラス片を踏んでしまい…!
マジックアワーまでまだ一時間もあり「どうしようか…」と、とりあえず時刻表を撮るMina幕別町/千住/稲士別駅(0:35~)
IMERUATの重要な撮影地として巡礼してくださるファンもいる幕別町千住の稲士別駅。カメラを回すも「前に見た絵(「Imeruat」のPV)だなぁ」「稲士別らしい寂しさがイマイチ…」と何度も仕切り直し、近くのセイコマで休憩しながら善後策を練っていたところ…「これだ!」。時刻表に見つけたのは、マジックアワーに駅を通過する釧路発帯広行きの2526D普通列車!これが6~7両編成の特急「スーパーおおぞら」では稲士別駅の意味が半減します。一両編成の普通列車が一瞬で通過するところが稲士別の醍醐味、しかもマジックアワー。運転士を驚かせないように、ホーム上ではなく、死角になる階段の途中で撮影しました。
いっしょにやる…?更別村/更別基線(0:49~)
「今年は雪が少ないから走りやすい」との地元の声。…のはずが、二日目の夜から降りだし、最終日である三日目は十勝じゅうが雪で埋もれていました。更別村は飛行機乗り遅れ事件がなければ初日に回る予定だった場所で、さらにこの雪で移動が困難でタイトなスケジュールであったため、国道に近いところでの撮影を余儀なくされました。と、思いきや更別村は逆に雪のおかげで撮れ高抜群!ここも実は市街地のエリアなのですが、このような楽しい絵を撮ることができました。この牧場のすぐ横は除雪車両の基地になっていて、この大雪でロータリー車や雪を運ぶトラックが十数台も小さな市街地を走り回っていました。ガン!ガン!ガン!と鳴っているのは基地の作業音のようです。
夏も彼はいました^^豊頃町/総内(1:23~)
旧小学校を活用したカフェ、ショップ&イベントホール「とかるね」の廊下です。撮影許可をいただこうと管理室を訪ねると、「どうぞどうぞごゆっくり!」と大歓迎!カフェもショップも二度目の利用でしたが、どちらもお世辞ではなくオススメです。以前から内々で「いつか十勝ツアーなんぞやろうか」なんて話をしていたのですが、Minaと「やるならここいいかも…!」とヒソヒソ。いいステージがあり、ライブイベントなどもよく開催されているようです。詳しくは「とかるね」のサイトへ!
http://tokarune.com/
虫は…こないな?…っと陸別町/陸別(1:36~)
日本一寒い町で有名な陸別町ですが、撮ったのは夏。陸別町の陸別地区という、どこなのかよく解らない感じの地名で、地図で見ても番外地の総称の状態になっていて広範囲にバラバラに存在しています。撮影地はその中の、サクシュリクンベツやヤムワッカナイあたりの、国道を一本南に外れた道です(今回カタカナアイヌ語地名の撮影地が少なくてなんとなく残念…)。本当は陸別では色々といい場所を何カ所か見つけていたのですが、スズメバチがすごい季節で、しかもレンタカーの色も限りなく黒に近い紫という挑発色。あちこちで彼らの猛攻を受け「命に関わる!」ということで、見通しがよくまだ虫たちの襲撃が少ないここを選びました。
ご存じ上利別駅!
足寄町/上利別駅(2:18〜)
お馴染みとなりました上利別駅です。すぐ近くでなんらかの工事をしていたらしく、作業音が聞こえます。2014年のカレンダーの写真はこのときに撮りました。まだ在庫あります!もう6月になるのでグッと値下げしましょうかね^^;
IMERUAT SHOP
校舎を再利用ハッチのカフェ
豊頃町/総内 2(2:25〜)
再び「とかるね」ですが、今度はステージです。ここで色々なライブイベントなどが催されているようです。カメラの後ろ側に「ランチカフェ ハッチ」があります。右側の通路を私がわざとらしく歩いていますが、何度も往復してました^^;
http://tokarune.com/
寂しいが何度来てもいいところ幕別町/千住(3:10〜)
「野を越えて」の撮影は士幌町で行われましたが、テーマとなった場所はここ幕別町千住です。すなわちMinaの祖先がいた土地です。現在は住む人も少なく、どこへ行ってもとても寂しい雰囲気です。今年は雪の少なさも手伝って、茶色い土がよりその感を増幅させておりました。しかし近くの住人はいたって明るいようで、かつて「Imeruat」のMVの撮影中に二度も地元民に声をかけられたことがありました。一人は「この向こうに見晴らしがいいところがあるよ~」と南部の丘陵地帯を教えてくれ、もう一人は横を通り過ぎてからまた戻ってきたので「何か俺らヤバいことしたかな?」とドキドキしてると「こんな何もないところで何してるのかなとちょっと気になって、つい声かけてしまいました!」…という感じ^^
閉ざされた炭坑への道… シャレです
浦幌町/福山(4:00〜)
炭坑跡を目指して道道500号を走っていたのですが、終点の常室交差点より7.7キロ進んだところでゲート封鎖!「開発局の情報を調べずに来てしまった」「俺としたことが」「道道入口に書いてあったのはこれかぁ」などと、それなりにハプニングに喜びながらあたりを見回していると、開発局の作業車が二台やってきたので、せっかくなので話を伺いました。道路が崩壊しかけており、通れなくはないが危険なので通行止めにしている、いつ通れるようになるか未定…とのこと。後で開発局のサイトで調べてみると「法面(のりめん)決壊のおそれ」とありましたが、そういえば昔釧路地方を回っているときに、法面が崩壊したばかりであろう、行く手の道の一部が陥没したポイントに出くわして非常にビビった経験があります。しかしその開発局の人の感じが「行きたければ行ってもいいですが…」みたいなノリがなんか面白かった(笑)。撮影地はゲートから少し戻ったところの道路脇の林で、さらに戻ったところでも写真を撮影。Facebookの十勝シリーズというフォトアルバムにネタ画像をアップしています。
新得町/トムラウシ(4:01〜)
蕎麦と北海道で最も深い山間部で有名な新得町。撮影地は新得町トムラウシの最南端であり、名峰トムラウシ山からは40キロ近く離れているのに同じ地名(地区)です。町名以下の住所の領域がこれだけ広い例は非常に珍しいと思います。背景は山を削ったなんらかの採掘場です。かなり細い未舗装道路で地図を見ても先に何も見つからないので、冬場は営林署の車両でもない限り車など通らないだろう…と思っていたら、一台上ってきてすれ違わせるのが大変でした^^; しかし十勝の人はこういうとき、あまり迷惑そうにしたり怪しがったりすることはなく、こちらが頭を下げると「なーんも!」という北海道弁がピッタリくる感じで返してくれることが多いですね^^
こんな感じで大慌ての連続!(しかもロータリー車の撮影は全滅!)更別村/更別南2線/豆倉庫(4:04〜)
「十勝でなんで倉庫?」というところかもしれませんが、大雪ではどこも似たような風景になってしまうので、「穀物の更別」を狙いました。馬鈴薯などの倉庫もあったのですが、ジャガイモはいかにも十勝な気がしたので、よく考えて「豆」を選びました(笑)。後で調べたところ、更別の豆類の生産量は日本屈指のレベルで、金時豆の作付面積は日本一だとか。と、撮影しようと準備していたら、向こうのほうで除雪車が活動しており、その方から開発局の乗用車が来て「ロータリー車が来まーす」とのこと。「ロータリー?除雪車のこと?道も広いしわざわざどうして…?」と思いつつ、とりあえず車を倉庫側へ寄せると、まもなくロータリー車がトラックと併走して我々の横を通過。なるほど、雪を道路脇によけるのではなく、かき上げてトラックに積んで運んでいくというものなのか!トラックの荷台はすぐに満杯になり、次から次へと新しいトラックがやってきて雪を積んで走り去っていきます。「そうだ、これをバックに!」と思ったのですが、私もMinaも慌ててしまい失敗の連続…!倉庫前ではMinaの振り付けがメチャクチャ、「更別基線」ではカメラの電源をオンにしたつもりがオフに…。ところでやはりここでも十勝人、運転士の人たちも、大雪の中ワケのわからん体操をしてる我々を見ても怪しむこともなく、また頭を下げると「なんもなんもー!」とばかりに笑顔で返してくれたのでした^^
湖のすぐそばのホロカヤントー遺跡のある高台。体操はここから撮影しました大樹町/ホロカヤントー(4:24〜)
右に見えるのが海跡湖ホロカヤントウです。このあたりはホロカヤントーとホロカヤントウの両方の名称が存在しており、道路や遺跡(カメラのすぐ後方に竪穴遺跡があります)は前者なのですが、湖は後者のようです。アイヌ語地名にはこのように同じ狭い地域に微妙に違う名称が散在するケースがよく見られます。日本語地名でも同じ「米原」「まいばら」「まいはら」と読み方が複数ある場合がありますが、アイヌ語には文字がなく和人による漢字やカタカナに当てはめる課程があったことで、こういうことが発生しやすかったのかも知れません。Minaが走り去ってしばらくして、私が「はーい!カット!」と言っても走り続けるので、同行者も「もういいよー!」と叫んだのですが、聞こえなかったらしくずっと走り続けてました^^; 勿体ないので、我々の声の音声を消して、長いエンディングにしました^^
スライド画像:1更別村、2上士幌町、3中札内村、4士幌町、5鹿追町、6足寄町、7鹿追町、8鹿追町、9士幌町
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